2014年3月13日木曜日

のんちゃんの あの人はいま ② ~ 長鋪 隆光さん ~ 


教育界に転身した

長鋪 隆光さん(75才)
1997年(平成9年)退職
2012.8.16 自宅訪問



長鋪さんは、平成9年3月に岡山県総合福祉センターの職業課長を最後に退職されました。
在職中にNHK学園の社会福祉コース(2年間)卒、全社協の社会福祉主事養成研修(1年間)西広島福祉学園の社会福祉士科(2年間)卒により、社会福祉士受験資格を取得し、平成8年3月に社会福祉士試験に合格、退職1年前に社会福祉士資格を取得されました。
さらに、平成8年4月には日本福祉大学社会福祉士科に入学し、平成10年3月に卒業されました。
平成10年から約10年間、岡山県社会福祉士会の事務局長を6年、顧問を2年、監事を2年勤められと忙しい毎日を送ってこられました。

[野田]          
長鋪さんは岡山県社会福祉士会の事務局長として頑張ってこられましたが、
その間の苦労話をお聞かせ下さい。

長鋪 ]          
すべてが手探りで、試行錯誤しながら事務局長をしました。ちょうど介護保険制度ができた時で、社会福祉士の社会的な位置づけの構築に苦労しました。介護保険の認定審査委員の人選にも苦労してきました。また、講習会を自ら段取りしました。当時は、すべてが手探り、手作りでした。
退職後は、教育関係者から思わぬ声がかかり、社会福祉士として、「人の心を聴く」ことを中心に学生を教えてきました。
退職後これまで多くの人を育ててきました

[野田]          
これまで、どこで教えてこられましたか。

長鋪 ]          
NHK学園の社会福祉の実習コーディネータを平成8年に、平成11年からは操山高校の非常勤講師、川崎医療福祉大学の非常勤講師、また、玉野医療総合福祉専門校等の講師をしてきました。

[野田]          
今、どんなことをなさっているのですか。

長鋪 ]          
今は、県内2市の介護保険認定審査会の委員をしています。また、理学療法士養成学校の非常勤講師もしています。
マッターホルンを眼前にして

[野田]          
趣味を教えて下さい。

長鋪 ]          
アマチュア無線です。昭和35年3月にアマチュア無線局の免許を取得し、真空管の手作りの受信機、送信機で国内外と交信しました。ロンドンBBC放送をかすかな声で受信したことと、ソ連のスプートニクの発信音を受信したことは思い出の一つです。
それから、旅行です。最初はロンドンに行きました。最も感激したのは、スイスのマッターホルンを登ったこと。マッターホルンを眼前にした時の感激は言葉にできないくらいでした。

[野田]          
後輩に伝えたいことがあれば、お聞かせ下さい。

[長鋪 ]          
介護保険を利用している人は、介護保険を利用して、すべてをしてほしいという傾向が強い。また、生きがいづくりや、友達をつくるのに、介護保険を利用しようとしています。自分の生き様や、友達づくりは、自分でするもので、人が作ったプランでするものではないと思います。自分の人生は、自分の自己決定で歩むべきです。それが、自分の力で生きていくということです。
また、現職の人は定年まで自分の仕事を考えてきたが、退職後は、後輩に、自分の人生を伝えることが大事である。人を育てることが大事である。
自分の事を考えるのもよいが、自分がこれまで身につけたことを後輩に伝えて、人を育てることが大事です。

[野田]          
人を育てることは大事ですね。ところで、健康面はどうですか。

長鋪 ]          
10年前から、足が不自由になり自由に歩けなくなりました。何よりも大事なのは健康です。あと、大事なのは、これまで築いてきた人の和を大事にしていくことです。


◎人の心を聴く、人を育てる、人の和を大事にする 等々の長鋪さんの言葉は、これまでの長鋪さんの生き様を象徴しているようでした。
「のんちゃんの あの人はいま」
シリーズ2 91号掲載